マーティンからいつものように日本語でメールがきた。
ゆかちゃん,俺からカードを貰った?
少し心配しています。
マーティン
いつの間にか「俺」と言うようになったマーティン。
カード?
バレンタインのカードを送ってくれたの?
前後してEカードが届いた。
送る人と送られる人を逆に入力したみたい。
「宛先:マーティン様」
「差出人:ゆかちゃん」
日本の言葉もウェブサイトも,どんどん使ってみるマーティン。ラブリーな人。
さて,夜は職場の友人たちと豚しゃぶを食べてワインを飲んで,
代行に送られて家に着いたところでマーティンから電話。
「今どこかで飲んでる?一杯飲みたいです。ゆかちゃんは一杯飲みたいですか?」
今仕事を終えてオフィスを出たところ,とあまり元気がない。時計を見ると12時。
アメリカ人がハードに仕事しているとなぜか気の毒になってしまう。
「マーティン,金曜の夜よ。こんな時間まで仕事してるなんて日本人みたいね」
「そんなことない。アメリカ人も時々遅く仕事します」
夜ご飯は食べたの?と聞くと,
「はい。お寿司。スーパーで買いました。半額。ゆかちゃんは?」
「豚しゃぶ食べてきたところなの」と言ってから,「あ,豚しゃぶってわかる?」
「はい。わかる。デイズタウンに近くの店ですか?」
マーティンは語彙がどんどん増えるのに文法を全然気にしないのが不思議,とシェイニーが呆れていたけれど,
本当に,語彙が文法を引き離して飛躍しているみたい。
いつになくちょっと疲れた様子のマーティンだけれど,
明日の朝7時につくばを出て,名古屋のライブハウスにお気に入りのロックバンドを観に行くとか。
「ひとりで?」
「ちがう。5人友達と行きます」
日本人のライブハウス仲間とライブハウスの2階の1泊2,000円の宿泊施設(?)に泊まるとのこと。
「マーティンです!あなたの名前はなんですか?」
今頃名古屋でまた陽気にお友達を増やしている姿が目に浮かびます。