「ハッケイってなに?」
どこで耳にしたのか、ネパール人同僚A。
そういえば、在日10年のカナダ人同僚にも、
「5とか10ならわかるけど、どうして8なんて半端なの?」と聞かれたことがあります。
「8つの素晴らしいviewsという意味よ。8は日本では幸運の数なの」と答えると、
「あぁ、なるほど。変な感じがする。ネパールでは8は不吉な数字だから」とA。
見て、漢字で書くとね、と『八』を書いてみせたけれど、
『末広がり』の意味を英語で説明するのは意外と難しい。
「こんなふうに、下が広がっているでしょう?これが、だんだん良くなるイメージだから。わかる?」
「・・・?」
「ええと、こんなふうに、だんだんハッピーになるかんじ」
右手の人差し指で空中に、斜め上に向かう線を描く。
こんな散らかった説明でわかるはずもなく、
「あぁ・・・じゃぁ、こうじゃないの?」
『八』の横に、『<』と書いてみるA。
確かに、その方がだんだん良くなる感じが出ているけれど。
「一昨日、空港から帰ってくるとき、新しい漢字を覚えたんだ」と、
『八』がなぜハッピーなのかはあきらめて、ペンをとるA。
一筆書きで四角を書く。
「あ、それは"mouth"の意味よ」
と言いかけたところで、
四角の中に縦線と横線を引くA。
「rice paddyね。Naritaのtaはこの漢字だから、それで何度も看板を見たんじゃないかな。
田んぼの形を表してるの、わかる?田んぼって、こんなふうでしょ?」
『田』を並べてたくさん書いてみせると、
「あ、本当だ!漢字は本当にinterestingだよね!」
目を輝かせるA。
ひらがなとカタカナのクラスでは落ちこぼれてリタイアしてしまったAだけれど、
「漢字を勉強したいな。ひらがなとカタカナは難しくて覚えられなかったから、漢字の方がいい」。
もうひとつ、書ける漢字があるよ、とまたペンをとって、
横線を引き、その真ん中から上に向かって縦線を引き、左と右に短い線を。
『止』。
「自転車でNIESに来るとき、道路に書いてあるんだ。この字と、あと漢字が2つ」
「『止まれ』ね!漢字が3つではなくて、漢字が1つとひらがなかカタカナが2つのはずよ。こういうのでしょう?」
『止まれ』と紙に書くと、
「そうかも。stop and goでしょ?」
「??ううん。この3文字で"stop"の意味なの」
「『止』だけで"stop"じゃないの?これ(『ま』)が"and"でこれ(『れ』)が"go"だと思ってた」
「どうして全部漢字とか、全部ひらがなで書かないで、漢字とひらがなを混ぜて書くの?」
と聞いたアメリカ人がいましたが・・・日本語って説明するのも難しいですね。