映画のセリフや友人とのメールで、最近よく、
"Piece of cake!"に出くわします。
ケーキ一切れ食べるようなものだよ!=簡単だよ!
こういう慣用句は、何かのテキストや辞書で見て知っていても、
ネイティブが実際に言うのを耳にして初めて、安心して使えますね。
That's not my cup of tea.
と言ったのは、メル友のウィルくん、21歳。
「私の好みの紅茶の銘柄ではない/飲み方ではない」が語源だそうで、
「得意じゃないんだ」という意味ですが、なるほど、若者も普通に使うのね、と
有り難く確認したり。
さて、「頑張って!」の意味の"break your legs!"を辞書で見かけたことがありました。
でも本当に、「足を骨折しろ!」なんて言っていいの??と思っていたのですが、
先日見た映画のあるシーンで、初舞台に向かう俳優に友人がかけた言葉が、
Break your legs!
だったか、
Break a leg!
だったか。
Eijiroを引くと、どちらも載っています。
"Good luck!"の意味で、舞台に出演する役者にだけ使えるのだとか
(スポーツ選手や受験をする人には使えません)。
その2日後、絶妙なタイミングで、このセリフを使う時がきたのです。
カナダ人の友人Sが市民ミュージカルに出演する朝、
都合が悪く応援にはかけつけられませんでしたが、携帯にメールを。
「とうとう本番ね!Break your legs!」
ところが、早速の実践に満足したのも束の間、
翌日のこと、ミュージカル会場でSに会ったEちゃんがやってきて、
「"Break your legs"だと、イタタタタ!という感じだそうですよ。
『ユカから骨折しろってメールがきた』ってネタになっていましたよ(^_^)」
Oh, my...
アメリカ人ウィルくんに聞くと、
「"break a leg"と"break your legs"は意味が違うよ。
"break your legs"はliteralにそのままの意味だよ」
また、Eちゃんがイギリス人Jに確かめてくれたところ、
「"break your legs"とは言わない。
too literalで、本当に足を折りたいみたいに聞こえる」
に続いて、
「舞台に出る人に"Good luck!"と言うとbad luckが起きるという迷信があって、
"Break a leg!"を使うの。ユカが"Good luck!"ではなく、このフレーズを選んだのは
nice intentionね!」
と優しいフォローが。
検索してみると、"break a leg"の語源には諸説あるようですが、
元は「足と首を骨折しなさい」という意味のドイツ語の英訳で、
当初の"break your legs and neck"が、言いやすい形の"break a leg"に
なったのでは、という説もありました。
舞台にたくさんチップが投げ込まれて、拾うのは足が折れるほど大変、
それほど盛況でありますように、という意味で言われ始めたのだとか。
どちらにしても、現代人のネイティブたちには「あり得ない」と判を押された
"break your legs"。
二度と間違うことはなさそうです。