続・アメリカン・オフィス時代

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2年間黙ってお椀を洗っておきながら、ある朝突然、「もう洗いたくない」という
とても幼稚な私でしたが、カナダ人のシェイニーは違う。

シェイニーが働き始めて2日目の朝、
ボスが自分の席のラジカセで音楽をかけ始めると、すっくと立つシェイニー。
「集中できないので、ヘッドフォン使ってもらえる?
なければ私のを貨せるけど、明日持ってこようか?」

さすが。

ボスの音楽には歴史があった。

私はどちらかというと、音楽がある職場はいいなぁと楽しんでいたのだけれど、
同室だったロシア人研究者が仕事にならないのではないかと気になっていた。
生真面目なメラニーもたぶん、迷惑していたはず。
ある日のランチでなにげなく、
「音楽があると、ギオーギ(ロシア人)は気になるんじゃないかな?」とメラニーに言った。

次の日の朝、出勤するなり私に歩み寄るボス。
メラニーに音楽のこと言ったって聞いたけど。
ギオーギには前に迷惑か聞いたけど、迷惑じゃないって言ったから、
何も問題はないのよ。オーケー?」

必要なことは直接本人に。
やりたくなければやりたくないとすぐに本人に。
いろいろなことを「アメリカ」で学んだ。

ある日のスタッフ・ミーティング。
ボスに仕事をおしつけられてきたメラニーが、とうとう涙ながらに抗議した。
「全部回してきて、『できた?』って言われても、そんなにすぐにできないわよ!」

メラニーはしっかり仕事をする人。
ボスは、しない人。
メラニーが気の毒だよね・・・」と言うと、
「いや、メラニーが悪いよ。やりたくないならそう言うべきなのに、
自分で引き受けておいて、あとで文句を言うのはおかしい」とステファン。

さて、ずっと後になってシェイニーに言った。
「あの2日目の朝、シェイニーが音楽を止めてって言った時、すごい!って思った。
シェイニーは言うべきことをすぐに言って、すごく大人」

「あれは1日目は黙ってて、その日の夜、ずっと、
どうしよう~?って考えてたんだよ~。クリスティーンに相談したりして。
クリスティーンが『それは絶対言うべき!』って言うし、次の日、頑張って言った!」

シェイニーからもメラニーからも、GCPからも、たくさん学ぶことがある。