オレオとジンジャーエール

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つくばで入院中のスウェーデン人が病院食にうんざりしている、という話題から、

「私も入院した時、あの食事が本当に我慢できなかった!
それに、ものすっごく退屈で、退屈で、退屈で、あれは本当に我慢できない!」
とシェイニー。

まったく、いろいろ主張するんだから。

「退屈なのは日本人でも外国人でも一緒でしょ。でも入院なんだから、しょうがない」と私。
「ちがーう!一緒じゃないよー!日本人は我慢するのが得意だけど、外国人は全然できないんだから!」

なるほど。

さて、アメリカの小説やドラマで気になっていたことがありました。
病人が寝込んでいる寝室に家族が運ぶサンドイッチ。

具合が悪い時にパサパサのサンドイッチなんて、日本人は余計に食欲をなくしそう、と
いつも思います。

「病気になった時にお母さんが作ってくれるものってなに?」
シェイニーに聞くと、
「・・・ないよ」

ドラマや小説のサンドイッチの話をすると、
「それはいつも食べてるものがサンドイッチなだけ。病気だからじゃなくて、いつもの食事」

そうだったのですね。

日本のおかゆみたいなものはないよ、と言いかけて、
「あ、でも胃の調子が悪い時とか、チキンヌードルは食べる。あとは、クラッカーとか」とシェイニー。

「何のヌードルなの?(スパゲッティ?)」
「チキンのヌードル!」
「ヌードルのこと。何でできてるの?」
「知らない!日本人みたいに、何でできてるかなんて考えないよ。缶に入って売ってるの」

カナダのお母さんは缶を開けて温めるだけ、のようです。

「日本とカナダとでは、食べ物に対する文化や価値観が100%、完璧に違う」とシェイニー。

日本人はsense of tasteがあるし、バラエティに富んだおいしい料理があるけれど、
カナダでは食べ物はおいしいから食べるものではない、お腹が空いたら食べるもの、
おいしいとかどうとかはなく、味はみんな一緒、とのこと。

24歳で来日するまで、野菜は嫌いで食べなったというシェイニーですが、
「カナダでは野菜は茹でるしか調理法がないし、料理の味付けは塩とこしょうだけ。塩が多いか少ないか。
日本に来て、肉野菜炒めを食べて、なにこれ、野菜おいしいじゃん!と思った」

そういえば、最近読んだ自叙伝ではアメリカ人著者が、
「子供の頃、風邪を引くと母がベッドに運んでくれたオレオとジンジャーエールがなつかしい」と
書いていました。

食文化はいろいろで、それぞれに思い入れがあるものでしょうけれど、
食べ物の話になると、日本人で良かった、と思います。