フランクとの再会

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KさんとIさんの後に続く、デイパックを背負った後ろ姿を見つけた。
「フランク!ハーイ!」

ハグかな、握手かな、ハグかな、握手かな。
一瞬ぐるぐるするけれど、ハグ。

ひとしきり再会を喜んで、
「どんなスケジュールなの?」と聞くと、
「よくわからない、Iさんに聞かないと・・・これからIさんと研究の話をするんだけど・・・」

メキシコでは夜な夜な陽気に酔っていたフランクだけれど、
日本仕様なのか、なんだか真面目な表情。
じゃあまたあとでね、と別れ、ブループラネット賞の受賞記念講演を聞きに行く。

講演会の後、Iさんの部屋に立ち寄ると、
ゲスト用のスペースにひとり収められているフランク。
せっかく日本に来たのに、せっかく短い滞在をやりくりしてつくばまで来たのに、
パーティションに囲まれて、何してるの??

「フランク、時間ある?私たちのオフィス見に来る?」
「もちろん!」

これが私のデスクで、ここがソバカル、そっちがシェイニーで、メラニーはあそこにいたの、
そしてこれがフィッシー。ベタっていう熱帯魚なの。

「朝から夕方まで、毎日ここにいるの?」とフランク。
「・・・そうよ!ここで働いているんだもの」
「うちの大学ではほとんど来ない人も多いから。家で仕事するんだ」
「でもそれは研究者でしょう?私はアシスタントだもの」

研究職だけでもないらしい。
フランクのオフィスを担当する事務員は、10時に出勤して、午後2時に帰るという。毎日。

「だから仕事がたまってしまって、旅費なんて6ヶ月も返金されなかったりするんだよ」
「誰も文句言わないの?」
「言えない。大学では事務員が一番強いんだよ。
それに何か言うと、いじめたということになって、訴訟を起こされるから」

お父さんが台湾人、お母さんが日本人、ふたりは筑波大学で出会って、
フランクはアメリカで生まれ、アメリカで育った。

どんな思いがあるのかな、アメリカと台湾と日本、それぞれに。
ゆっくり話したいけれど、午後5時には成田に着かなくてはいけないというフランクを
バス・ターミナルまで送る。

車の窓から見るつくばの街に、「つくばは大きい街なんだね」。

お母さんとは日本語で話すというフランクは、日本語も流暢、だけれど、
英語では気さくな彼が、日本語を話し出すと突然丁寧な人になるのが楽しい。

「日本はいつ以来?」
「2年ぶりくらいです」
「なつかしい?」
「はい。公衆電話がどこにもなくなってしまってびっくりしたんです。
携帯電話を持っていないので、さっきは電話を探すのに20分かかりました!」

4時間のつくば滞在。
あひるの顔の柄の折りたたみ傘をデイパックから覗かせて、ご両親の思い出の地、
つくばを去って行きました。

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今日の写真は公園ではないですが、研究所の池とそこに続く道です。