ルーマニアの女の子

「ユカは横浜からの通勤が大変だから、私は何かしたい。
毎朝コーヒーをデスクに置いておくとか、どう?」

同僚のルーマニア人L。
本当に心の優しい女性です。

「ありがとう、でも大丈夫!Lの顔を見るためだけに通ってもいいわ」

次の朝、「おはよう。今日の通勤はどうだった?」と聞いてくれた後、
冷蔵庫からラップに包んだものを取り出して渡してくれるL。

野菜を炒めてチーズと一緒にパイ生地で包んで焼いた野菜パイ。
早起きしてお腹が空いているだろうからと、私のために作ってくれたおやつでした。

フェタチーズに合わせて入れてくれたハーブは、
キャラウェー、バジル、パセリ、ローズマリー、タイム、セージ。
こんなにたくさん入れるのですね。

香りが良くてとてもyummy。

「彼の息子のDくんは本当にかわいかった、市役所ではABCの歌を大声で歌っていたの」

Lに話すと、楽しいことを思い出したように笑顔になって、
「あぁ、私も幼稚園に通う時、母に連れられて電車に乗って、
電車の中でいつも大きな声で歌ってたの」。

「それが幼稚園で習った共産主義の歌だったの。
共産党は素晴らしい!私たちにこんな良いことをもたらした!』っていう歌で、
だからうるさくても誰も止められなかった」と可笑しそうに笑うL。

共産党を賞賛する歌は止めちゃダメなの?と聞くと、

「ぜったい。だめ」

優しい上に、子供の頃から頭の良い女の子だったようです。