10月最後の朝

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10月31日午前10時45分に叔父が他界しました。

枕元にたくさんの友人が駆けつけては、「まーちゃん・・・」と泣き崩れていました。

土木建設会社を営んでいた叔父は、男気があって情熱家で、
一年前から大病と闘いながらもそれは変わらず、最期までしっかり意識があって、
強い叔父のまま、65歳で亡くなっていきました。

叔父を兄と慕っていたお坊さんが心痛な面持ちでお経をあげる中、
白昼夢というのか、不思議な光景を見ました(見た気がしたのだと思います)。

白くもやがかかる大きな川を、叔父が静かにボートを漕いで、私から遠く離れていきます。
「おじさん、大丈夫なの?」
心配になって声をかけると、振り返り、
「大丈夫だよ、もうどこも痛くないんだから。心配しなくていいからな」
昔よく見た笑顔で、手を振って、どんどん遠く、もやの中に消えていきました。

闘病中の叔父に、心配して携帯にメールを送ることくらいしか、私にできることはなかったけれど、
「メールうれしかったみたいよ。『こんなに送ってきて、ゆかはストーカーだな』とか言って」と叔母。

泣き腫らした目の叔父の長男が、「おもしろいメモがあったんだよ」。

最後の2週間は物を食べることも水を飲むことも許されなかった叔父ですが、
「『干物』とか書いてあるんだ。『鰻』とか、『軟骨』とか」。

たくさんの花輪や生花が並び、市長から幼なじみまで、
600人の方が参列されて、立派な告別式で叔父を見送りました。

「おう、集まってなにやってんだ、しんみりして」

そんな声が聞こえてきそうです。