南の国の大使館

イメージ 1

ボスは毎月一度か二度、海外出張をします。
ネパール国籍のボスは、どこの国に行くにもビザが必要で(インドだけは不要でしたが)、
去年一年間で、十数ヵ国の大使館とやりとりをしました。

今、ビザ申請をしようと準備しているのはドイツとイギリス。
ビザ申請に必要な書類は大使館によって異なりますが、ドイツは今までで一番strictなようです。

NIESからの雇用証明書や「うちの職員はあなたの国に迷惑をかけません」という手紙、
滞在するホテルや航空券の予約の確認書など、各種の提出書類、

そして、3.5mm×4.5mmの顔写真、
さらにはその顔の大きさは ”must be between 3.2mm – 3.6mm” との指示が。

「これでいいかな?」
ボスから預けられた写真の外枠は確かに規定のサイズだけれど、胸から上の証明写真で、
定規で測ると顔の大きさが小さすぎるみたい。

ドイツ大使館のwebsiteでもう一度確認してみても、胸部から上の写真のサンプルには×の印が。

「顔が小さすぎるみたい。他の写真ある?」
「これもあるけど、写真自体が大きすぎるよね?」と一回り大きい顔写真を引き出しから取り出すボス。

「カットすればいいんじゃない?顔の大きさはどうかしら?」
ボスの顔にぺたぺたと定規をあてる。

頭の先から顎まででちょうど3.6mm、を少し超えるくらい。
今よりもふっくらしている様子の写真では、顎のラインがはっきり見えない。
「ここまでが顎だとしたら3.6mmに収まりそう」
小さな声の日本語でつぶやきながら無事に写真を規定の大きさにカットしました。

ところで、大使館の対応はどこも同様に愛想のないものですが、インドネシア大使館だけは違いました。

15回目か20回目か、やっと電話がつながって、
「ビザのことでお聞きしたいので、ご担当の方をお願いします」
「は~い!」
気が遠くなるほど待たされた後、
「もしもし、きょう、やすみです」
「そうですか。明日はいらっしゃいますか?」
「は~い!あした、きます」

次の日、これもまた、15回目か20回目かにつながり、
「ビザのことでお聞きしたいので、ご担当の方をお願いします」
「は~い!」
忘れられたかと受話器を置きかける頃、
「もしもし?きょう、やすみです」
「・・・そうですか。明日はいらっしゃいますか?」
「は~い!あした、きます」

次の日もかけました。
今度は日本人らしき男性が。
「ビザのことでお聞きしたいのですが」
「・・・今日からインドネシアの祝日で一週間くらいお休みで、だれも来ませんよ?」

いいんです、南の島ですものね。