百万本のバラ

お付き合いで加藤登紀子のコンサートに行ってきました。
すっかりファンになりました。

泣いたり笑ったり、忙しかったです。

膝小僧を抱えてひとりで眠る、という詞の歌を歌い終えて、「涙が出ちゃったわ」と拭う登紀子さん。
東大在学中に学生運動で知り合った、のちのご主人となる恋人が独房から送ってきた手紙に、
朝、目が覚めると、独房の便器からねずみが出てくることがある、それがとても嬉しいのだ、と
したためられていて、それを歌った歌とのこと。

深い愛と希望に満ちたコンサートでした。

ご主人を5年前に亡くされたそうですが、本物の愛を得た人生は何にも代え難く豊かだろうな、
そして、それを得られる人と、得られずに終わる人がいるのだろうな、などと考えながら、
期待していた「百万本のバラ」も聴けて満足したところでアンコールに。

階段もないのに舞台から飛び降りて、脱げた靴もそのままに、
登紀子さんは5列目に座る私たちの真横を通り、歌の途中では私の隣の姉にマイクを向ける。

それだけでも十分嬉しかったけれど、なんと私のひとつ後ろの空いていたシートに飛び乗って、
後方の席や2階席に向かって最後の曲を歌う登紀子さん。

私のすぐ目の前には登紀子さんの背中が。
そしてサプライズの演出に輝く全観客の満面の笑顔がスポットライトを浴びた私に
(本当は目の前の登紀子さんに)向けられていて、なんだか夢の中のような「知床旅情」でした。