フローリアンとお別れ

ワークショップ前夜になって、やはりイントラにお知らせを載せて所内にも参加を呼びかけよう、
ということに。

スケジュールを添付して、直前のお知らせとなり申し訳ありませんが、と添える。
その下に、外国人研究者向けに英文で同じ内容を繰り返すと、
「英文には『直前のお知らせとなり』の一文はいらないよ」とシェイニー。
そういうこと英語では謝らないから、と。

その翌日のレセプションでのこと、隣の席のフローリアンと話していると、
離れた席からシェイニーが呼んでいる。

「ユカ、バスは何時?」
「明日の朝の?」
シェイニーの周りの外国人たちがどっと大笑い。
「明日の朝まで飲み続けるの?」

「Oh, sorry, 朝ホテルを出るバスのことかと思ってしまったの。
ここのレストランのバスが送ってくれるから、何時でも出られるわよ。9時はどう?」

すると、くるりと勢いよくこちらに振り返るフローリアン。
「ユカ、謝らなくていいよ。悪くないんだから!」

さて、昨日は半年間NIESに滞在したフローリアンとのお別れの日でもありました。
NIESに来た頃は、慣れるのがhardだった、でも今は、離れるのがhardだよ、と言うフローリアン。

夜、ワークショップの経費の精算を終えて帰宅の前に隣のオフィスを覗くと、
まだまだパッキングの収拾がつかずにいるフローリアン。

お別れの長いハグと、クリスマスの頃に遊びに行くね、と約束をする。

「寂しくなるわ。フローリアンは本当に素敵で、優しくて・・・」
「ノー、ノー、ユカこそ素敵だよ」
「フローリアンこそ素敵だってば」
しばらくふざけ合っていると、

「あのね・・・ユカはよくsorryって言うでしょ?でも言わなくていいよ、いつもユカは悪くないんだから」

そんなに言ってたのね。

日本の文化ではよく謝るってわかってるけど、西洋人はsorryって言わないから、
英語の時は言わなくていいよ、とフローリアン。

なぜかじーんとしてしまう。
「わかった、tryするわ」

言語は文化が背景となって成り立つもの。
日本人の頭で英語を話しても、馴染まないものですね。

フローリアン、教えてくれてありがとう。
また会える日まで、元気でね。