フローリアンから届いたお花

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「これ、プレゼント」
フローリアンが鮮やかな黄色のお花の鉢を持って現れた。

「わぁ、きれい!ありがとう!でもどうして?」
「どうして?それは、ただちょっと、出勤する途中に見つけて、綺麗だったから」

How lovely!!

フローリアン、昨日のことを気にしてくれてるのかな。

先週、3月に開催するワークショップでの講演を承諾した国外の人たちに、
reimbursementに関する案内のメールを一斉に送った。

  エコノミーチケット代しかお払いしません。
  自国の空港-成田-自国の空港のround tripのチケット代しかお払いしません。
  旅行代理店発行の、3月27日成田着、3月31日成田発のitineraryを提出してください。

などなど。
役所仕事なので、細かい規定通りにチケットを買ってもらわないと、旅費の支払いができなくなる。

一斉に返信がきた。

  ウィーンからニューヨークに寄って、ニューヨークから成田に向かうのでround tripではありません、とか、  
  京都に寄りたいので、3月31日には成田を出られません、とか。

...予想通り。

オーストリアのIIASAから半年間出向してきているフローリアンが、昨日、オフィスにやってきた。

今回のワークショップにIIASAの同僚がオーストリアから参加するけれど、
フローリアンも同僚も、研究所の役所的にただ煩雑で融通のきかない手続きに苛立っている様子。

「旅程を書いたメールがあれば、itineraryは取り寄せなくていいでしょ?」とフローリアン。
「ううん、代理店発行のofficialなitineraryを提出してもらう必要があるの」
「どうして?代理店がメールで旅程を知らせてきてるんだよ。同じことでしょ?」
「でも、NIESの会計課はメールは認めないから、1枚もののitineraryが必要なの」

はぁ~~~、とため息をつくフローリアン。
「どうして?わからないよ。意味がないよ」

私だってそう思うけれど。
外国人とのペーパーワークでは、この膨大なやりとりに気持ちと時間を消耗する。

「外国の会社でも経理の決まりはあるでしょ?どうしてるの?」
シェイニーに聞くと、

「あるけど、私たちはいちいち細かいことを相手に頼むのをすごく嫌がるから、どこかで誰かが決めるの。
たとえばユカが、『わかった、いい!メールのitineraryでいいよ!』って。それで、いいことになる」

いいことにならないのが日本のお役所ですよね。

隣のオフィスに戻ったフローリアンからメールが届いた。
「ごめん、僕にもう少し我慢して。NIESのやり方に慣れるにはまだ時間がかかるみたい」
優しい人。

「いいの、いいの。私たちだってみんな、NIESの事務手続きにはうんざりしてるからわかる」
私の返信に、

「じゃあどうしてNIESは変わらないの?」

どうして変わらないのかな。
物事を変えるには、日本人は我慢強すぎるんだよ、と言った人がいたけれど。

今日もcrazyなペーパーワークの合間にデスクのお花に目をやって、ずいぶん癒されています。