メキシコの恋!

イメージ 1

明日が会議最終日、メキシコの日記も終盤に入り、とうとう山場を迎えたのです。

今日は会議後にバンケット
立食はレセプション、着席のしっかりしたディナーはバンケット
今夜は約6,000円のフルコース・ディナーの立派なバンケット

マリアッチの楽団がテーブルを回ってファービュラスな歌声を響かせる。
ビブラートが頭の中全体にこだまする感じ。

「うるさいね」と同じテーブルの韓国人。

同じテーブルには、イギリス人、アメリカ在住のインド人、ニュージーランド人、
アメリカ人、ドイツ在住のロシア人、アメリカ在住の韓国人、カナダ在住のネパール人、
そして日本人の私。
韓国人が話しかけてくる。
「コイズミは全然気候変動のことわかってないでしょ?アベもだし、日本はだめだよね」

コイズミがわかってるかどうかなんて、私にはわからない。

バンケット前にメラニーが、
「ユカ、your boyfriendとは話したの?」
「話してない」
「ちょっと、会議は明日で終わりよ。バンケットで絶対話さなきゃだめ!」
そんな、別にそれほどでも。

メラニーの執念が伝わったのか、同じテーブルに彼が座る。

席が少し遠かったけれど、メラニーに報告するのが楽しみで、終盤、彼に話しかけた。
「それでリチャード、日本に来る予定はないの?
ソバカルがあなたの研究にすごく興味持ってたから、招待するかもね?」

身を乗りだしてくる彼。
誠実そうで、温かみがあって、本当にナイス・ガイみたい。
「実は彼女と日本に旅行したことがあるんだよ。京都とか九州とか。
今度行ってみたいのは屋久島と北海道」

なかなか日本通みたい。
そしてガールフレンドがいたみたい。

帰りのバスで隣に座るリチャード。
「どうかな、みんなでホテルのバーでもう少し飲まない?」と彼。

7人でバーで二次会。

リチャードは離れた席に。
何か話しかけてくるけれど、遠くて聞こえない。
「全然聞こえないの!」
「そっちに移るよ」

なぜかリチャードのイギリス英語は100%理解できてしまって、話が弾む。
「会議見てて思ったけど、日本人はプレゼン下手でしょ?」
「サトシはすごく良かったじゃない」
「彼は7年アメリカにいたから、ティピカルじゃないでしょ」
「そっか。確かにそうだよね。確かにもうひとりの彼は英語は
グッドじゃないけど、でもスライドがすごかったよ!
綺麗なグラフがたくさんで。日本人のプレゼンを何度か見たけど、
英語が良くなくても、スライドがすごくてびっくりするよ。
でもちょっと情報が多すぎるよね」

「どうして日本人はプレゼン苦手なのかな?言葉の問題は別としても」
「今度チャンスがあったら友達に言ってみて。スライドに詰め込みすぎないように!って。
でもほんと思うんだけど、僕はすごくラッキーだよ。英語が母国語で」

なぜかとても気が合って、いろいろな話をした。

ポスドクがパーマネントの職を得るのは日本もイギリスも
ポストが少なすぎて難しいこととか(昨日フランクに聞いたところによると、
アメリカでは研究をやめて、ウォール街の銀行員になるそうです。分析の仕事に。
そしてお給料が10倍になるとか。この話をしたら、リチャードはかなりうけていた)、
イギリスでの階級意識のこととか、
日本食のこととか、
彼は将来どうしたいのか、まだわからないのが問題なこととか。

「日本を旅行して、すごくみんな親切にしてくれたよ」
「でも日本って住みづらいかもしれないよ。シャイすぎて
心を開かないのかも」
「それね、旅行してて感じたよ。親切なんだけど、なんていうか、
ある程度まで、みたいな」

楽しい時間だけれど、12時半。もう戻ってお風呂に入らないと。

「話せて楽しかった。あのね、メラニーに、タイプな人がいたって言ったの。
そしたらメラニーが、近づいて名札を見て、名前を調べたの。
それが、リチャードだったのよ」

「うそでしょ!?信じられないよ、だってすごく綺麗だし、lovelyだし・・・。
うわぁ、ほんとなの?」
「ほんとよ。ガールフレンドがいて残念だったけど!」
「僕も残念だよ。そうか・・・」

帰り際、エレベーターの前。
「今度ガールフレンドと日本に来たら、どこでも案内するね」
「・・・ほんと残念だよ。ほんとにあなたは綺麗だし、頭がいいし・・・」
「優しいね。あなたもキュートよ。楽しかったね!」

ハグと頬にキスの挨拶。
明日メラニーに報告しなくては。がっかりするだろうな。