おとぎの国の研究所

オーストリアでのワークショップの会場は、国際応用システム分析研究所、
通称IIASAでした。

世界遺産であるシェーンブルン宮殿でさえ、一部を公務員の官舎として
貸し出しているというオーストリア2LDKで、家賃は4万7千円だとか)。

IIASAがオフィスを構える建物も、ハプスブルク家の夏の離宮だったそうです。
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トルコ軍に破壊された後、女帝マリア・テレジアが再建したのだとか。
オフィスが宮殿の中だなんて。

正面玄関のドアは大きくて重厚。
「馬に乗ったまま入れるように大きいの」と教えてくれるルーマニア人同僚。
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こんな階段に、
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こんなお手洗いのドア。
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ドアノブをもらって帰りたい・・・。
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そして、世界で一番美しい夢の「社員食堂」ではないでしょうか。
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研究所内、というか、宮殿内を見学させていただくと、
小さいらせん階段が。
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くるくると上っていった一番上の小部屋は、子供の遊び部屋だったのだとか。
壁は緑色で絵が施され、なるほど子供部屋らしい。

そして今は、日本人研究者の研究室として使われていました。

窓の外には敷地内の教会が見えます。
宮殿と同じく、マリア・テレジア・イエローと呼ばれる黄色です。
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教会の鐘が鳴り響いていました。

「結婚式かな?」と私。
「ううん、今日は金曜日だから結婚式はしない。あれはお葬式」
ルーマニア人同僚L。

金曜日はキリストが亡くなった日なので、お葬式をすることが多いそうですね。
教会の内部はとてもきらびやかでした。
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あるヨーロッパ人の研究者は、IIASAを「この分野の研究者の憧れの研究所」と
称していましたが、おとぎの国の研究所みたい。

「いや実際は、使用人用の棟の、窓のない部屋が研究室になっていたりするよ」
とIIASAの研究者。

子供部屋だったか、使用人用の棟だったかわかりませんが、
紀子さまのお父様も、2年間IIASAで研究したことがあるそうです。