ケビンとの再会

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ワークショップ1日目のディナーは野外のレストランでした。

広大な敷地に見渡す限りに並べられたテーブル。
現地のお客さんも多く、派手な電飾に熱い空気で、お祭りのよう。

トムヤムクンパッタイに大満足して一息ついた頃、
「ハーイ、話せる?」
ビール片手にやってきたケビン。

「話したいけれど、完璧すぎて、近寄りがたい」
アメリカ帰りのYさんがそう形容したケビンは、パーデュー大学の教授で、45歳で、
190cm以上の長身とブロンドの短髪と、怖いものなしのような堂々とした態度。

5年前につくばのワークショップで初めて会って、2年前にメキシコで再会、
今回は3度目だけれど、5年の間にどんどん立派に、素敵になっていくような。

「さっきね、アレクサンドレ(ブラジル人)や他の日本人と話してたの。
ネイティブのプレゼンを聞き取るのは大変だね、って。
それで、アメリカン・イングリッシュと、ブリティッシュ・イングリッシュと、
オーストラリアのイングリッシュと、どれが一番聞き取りづらいか、って」

「そうなの?速いから?」
「それもあるし、つながって聞こえるから。ララララララララ、ラ~って」
「(?)へぇ。で、どこが聞きづらい?」
「アレクサンドレはアメリカンだって」
「ユカは?」
「私はブリティッシュかな。アメリカンは少し聞きやすい」
「良かったよ!」

「逆にネイティブの人にとっては、プレゼンでネイティブじゃない人の英語を聞くのは
疲れるんじゃない?」
「うーん、そうでもないよ。パーデューはアメリカで2番目に大きい大学で、
インターナショナルな学生がたくさんいるし、あまり気にならないよ」
「どこ訛りは聞きづらいとかないの?」
「中国は聞きづらいかな。日本人の英語はまあ聞きやすいよ」

NIESにはどのくらいいるの?
きょうだいはいるの?
休みの日はどうやって過ごすの?
学生の時は何を勉強していたの?

身を乗り出していろいろと質問しては、会話を盛り上げてくれるケビン。

「何を勉強してたかは言いたくない!」
「あははは。言いたくない勉強ってなに!?どうして?」
「英語学科で、英文学も勉強したけど・・・ディケンズとかシェイクスピアも読んだけど、
何も覚えてないの。だから何も質問しないで」
「すごいじゃない!僕もディケンズを読んだけど、何も覚えてないから質問できないよ!
どうして英語を勉強しようと思ったの?」

この優しくて頼りになってカリフォルニア育ちのケビン、
メキシコでのこと、
「ケビンはきっとゲイね。ピアスしてるし、『僕のパートナーが』っていつも言うから」
そうメラニーが言うので、すっかりそう思い込んでいたのですが、

「ケビンは結婚してるの?」
「してるよ」
「(!?)そう!奥さんは何してるの?」
「彼女もパーデューの教授なんだ」

シェパードともう1頭大きな猟犬(種類を聞いてもわかりませんでした)を飼っているそうで、
ケビンと、同じく長身の(想像ですが)奥様が散歩をさせている姿をイメージしただけで、
格好良すぎて言葉が出ないくらい。

「大きい犬2頭の散歩は大変ね」
「その通り。向こうが僕を散歩させてるよ」

ワークショップの後はタイの小さな島に移動して、一週間スキューバをして過ごす予定だとか。
「十何時間もかけてこんな綺麗な島に来て、ワークショップだけで帰るなんてくだらないよ」

引退後はコロラドとカリフォルニアに住んで、スキーとスキューバをして暮らしたいとのこと。
なんだか映画の主人公みたいなケビンでした。


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写真は衣で包んだアイスを揚げたフライドアイスです。